子年と千手観音

令和2年は子年(ねどし)となります。
その昔、神様が年の名前を決める時に、ねずみは牛の背中に乗ってチャッカリと神様の前に一番乗りをして、十二支がねずみから始まるようになった話はよくご存じだと思います。
ねずみは要領が良くて、素早く機転が利き、賢いイメージが有ります。また、ねずみの語源は「寝ず身(見)」(ねずみ)から来ているとも言うことから、常にコツコツと積み上げる働き者で、富や大成の象徴のようにも言われます。

干支と八尊仏
干支と八尊仏との関係を図示したもの


現代では十二支と言えば、年の名前に使うだけですが、昔は時間や方角の名前にも十二支を使っていたようです。

時間では、1日24時間を12分割して、1刻を2時間。
子の刻と言えば、午後11時から午前1時になるようで、因みに、午後0時を「正午」と言うのに対して、午前0時の事は、「正子」(しょうし)とも言うらしいです。

また、方角に関しては、360度を12分割すると、各干支には30度の範囲が割り当てられます。子の方角は北を中心とした30度の範囲があてがわれています。

子年の守り本尊は千手観音

子年の守り本尊は千手観音と言います。
子年と千手観音の繋がりですが、八体の代表的な仏様を八尊仏と称することがあり、この八体の仏様が住まわれる世界(方角)が四方八方に分かれて居るのですが、「子(北)の方角」に住まわれている仏様が千手観音で有ることから、子年の守り本尊は千手観音となっているようです。何か深い謂れがあるのかと思っていたのですが、それぞれに司る方角が同じだからと言う単純な事のようですね?

千手観音
子年の守り本尊・千手観音と干支とネコ


千手観音は多くの手を背中から出された姿をされています。そして、その手には様々な道具を持って居られます。
千手観音の手の多さは、観音さんに救いを求める人々を全て救う為であり、多くの道具は人々の苦しみを抜き、楽を与えるために準備されているもので、共に千手観音の御利益の奥深さ・幅広さを表しています。
このお正月は、元号が令和とあらたまった最初のお正月でもあり、十二支も初めの子(ね)に戻っての再スタートで、まさに、新しい令和時代の幕開けという感じでしょうか。
各家の皆様方には、千手観音様の広大無辺なご加護に預かれますように・・・。
また、子年にあやかり、コツコツと良い事が積み重なりますよう御祈念致します。

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